
格好にして、それを主催者の間に売りに出して、その中から手数料として何%かをマネージャーが取るという形が出来てきた。 アーチストから見れば、つまりマネージャーのおめがねにかなって契約をしてもらえるアーチストは非常に幸運でうらやましいエリートになったのです。アーチストとしては、そういうマネージメントに所属をしておりますと、そのアーチストは、ほかにもアーチストをたくさん抱えていれば、それと一緒に常時宣伝もしてくれるということになります。特に最近のアーチストは国際的に活躍している人が多いわけですから、日本にいないで外国に行っている間にも、宣伝をしてくれるという利点もあるということで、そういう形が非常に活発になってきた。公文協が毎年お出しになっている各マネージャーからの企画がありますよね。あれは、マネージャーが所属アーチストで企画を立て値段までついていて、パッケージでそれをホールに売るためのガイドです。 それと全く同じような形で、外国のアーチストも、呼び屋なんて言い方で称しているマネージャーは、外国のアーチストとそういう契約をして、ある一定の期間、日本に呼んで来て、1ヵ月なら1ヵ月、その期間の事務の代行をするという専属契約を結び、それをやっぱり同じ格好で売り込んでくるということをやっているわけです。 そういうのがアーチストマネージメントで、特に外国から呼んでくるような場合は、もちろん出演料というのがありますが、日本は地理的条件が非常に悪いので、ヨーロッパから来た場合に交通費が非常に高くなるし、こちらでホテルに泊まったり食事もしなければならないというようなことがありまして、マネージャーはそれらの経費すべてと、出演料の合計を10回演奏会があるなら、10で割って、自分の利益も少しは入れて売るという形をとるわけですから、実際に言ってくる料金というのは、出演料そのものではなく、非常に高いものになります。 呼ぶときの条件にはいろんな条件があります。例えば帰りに韓国に寄って演奏会をするというと、旅費は韓国があるいは半分持つかもしれない。そうすると安くなる。あるいは片道は向こうの政府からお金を出してもらっているというアーチストなんかもいます。そういうような条件によって、つまり出演料は同じでも、経費が呼ぶときのケースケースによってまちまちですから、それを10回なら10で割った数字で値段立てをして、出演料のような形で売り込んできますので、非常に高く思ったり、あるいは安いなと思ったりするような場合があります。このように、外来アーチストの場合は、値段と価値が必ずしも一致しないので、用心が必要です。
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